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コインランドリー経営の利益は?稼働率や利回り例を紹介!

2020年10月29日
271古市店_内観

コインランドリー経営を検討している人がもっとも気になるポイントは、「どのくらいの利益が見込めるのか」ということではないでしょうか。高い利回りが期待できるビジネスではありますが、利益を出すためには数字に裏付けされた計画的な経営プランが必要です。

この記事では、コインランドリーの稼働率や利回り例、利益を出すためのコツについて解説します。コインランドリー経営を始める際の参考にしてください。

コインランドリー経営の初期投資

コインランドリー経営は、初期投資が高額になりやすいビジネスです。なかでも洗濯機や乾燥機などコインランドリーに欠かせないランドリー機器は単価が高いため、店舗の面積や利用者のニーズを考慮して最適なものを選びましょう。

コインランドリーは、大きく「都市型」と「郊外型」の2種類に分類できます。従来は住宅密集地に店舗を構える都市型が主流でした。しかし、最近では共稼ぎ世帯やファミリー世帯の利用が増加した影響で、郊外型の大型店が増えています。

都市型の場合

都市型コインランドリーのメインターゲットは、周辺に住む単身者です。平日に洗濯の時間が取れない会社員や学生などが、休日にまとめて洗濯することを想定しています。都市部では広い敷地を確保しにくいため、限られたスペースを有効活用できるレイアウトを取り入れましょう。以下に敷地面積10坪と15坪のモデルプランおよび費用の目安を紹介します。

敷地面積 費目 容量 台数 店舗費用
都市型10坪 洗濯機 10kg 4台 3,000万円
(工事費含む)
13kg 1台
乾燥機 14kgx2 2台
都市型15坪 洗濯機 5kg 3台 3,300万円
(工事費含む)
7kg 3台
洗濯乾燥機 10~17kg 2台
乾燥機 8kg 6台

郊外型の場合

郊外のロードサイドに店舗を構える郊外型コインランドリーの主な利用者は、家事の時短やワンランク上の洗濯を求める専業主婦や共働き世帯です。家庭では洗えない布団や1週間分の洗濯物を持ち込む利用客も多いため、大型のランドリー機器が必要です。

明るく清潔感があり、女性客やファミリー層が入りやすい店舗づくりを心がけましょう。以下に敷地面積20坪と25坪のモデルプランと費用の目安を紹介します。

敷地面積 費目 容量 台数 店舗費用
郊外型20坪 洗濯機 10kg 2台 4,000万円
(工事費含む)
13kg 1台
17kg 1台
23kg 1台
乾燥機 23kg 2台
14kgx2 3台
スニーカーランドリー 2足 1セット
郊外型25坪 洗濯乾燥機 10~17kg 2台 4,300万円
(工事費含む)
16~27kg 2台
乾燥機 14kgx2 3台
25kg 1台
スニーカーランドリー 2足 1セット

コインランドリーの稼働率と売上シミュレーション

コインランドリーのビジネスモデルはシンプルで、ランドリー機器の稼働率が上がるほど売上も上がる仕組みです。稼働率の平均は10%程度といわれ、15%を超えれば軌道に乗ったと考えられます。20%なら絶好調です。開店から3年目を目途に稼働率10%を目指しましょう。リピーターが増えれば稼働率も利益も増えていきます。

コインランドリーの1カ月(30日)あたりの売上は次の式で試算が可能です。
売上=全ランドリー機器の1時間あたりの最大売上×24時間×稼働率×30日

次項では、下記の条件で月間売上と年間利回りをシミュレーションします。

費目 金額
初期投資 3,000万円
ランニングコスト 30万円/月※毎月変動
乾燥機5台 売り上げ600円/時間
洗濯機5台 売り上げ800円/時間

稼働率10%の場合

稼働率10%だった場合、このコインランドリーの月間売上は下記のようになります。

乾燥機:売上600円/時間x5台=3,000円 洗濯機:売上800円/時間x5台=4,000円
売り上げ=(3,000円+4000円)x24時間 x10% x30日=50万4,000円

コインランドリー経営では、利回りの把握が非常に重要です。利回りとは初期投資に占める利益の割合で、初期投資を何年で回収できるかを示す指標であり、経費を考慮に入れた利回りを実質利回りといいます。このケースの実質利回りは、下記の通りです。

実質利回り=(50万4,000円-ランニングコスト30万円)x12カ月/初期投資3,000万円x100=約8.2%
経営が順調に進めば12年程度で初期投資を回収できます。

稼働率15%の場合

稼働率15%だった場合の月間売上は下記の通りです。

売り上げ=(3,000円+4,000円)x24時間 x15% x30日=75万6,000円

稼働率が5%上がるだけで、月間売上が25万円もアップすることがわかります。ランドリー機器が故障すると稼働率に直接影響するため、メンテナンスはしっかり行いましょう。

年間の実質利回りは以下の通りです。
実質利回り=(75万6,000円-ランニングコスト30万円)x 12カ月/初期投資3,000万円x100=約18.2%
この場合は、約5年半という短期間に初期投資を取り戻せます。

稼働率20%の場合

稼働率20%だった場合の月間売上は下記の通りです。
売り上げ=(3,000円+4,000円)x24時間 x20% x30日=100万8,000円
稼働率10%と比べると、稼働率が2倍になったぶん、月間売上も2倍になっています。ランニングコストを差し引いても毎月70万円以上の利益が出る計算です。

年間の実質利回りは以下の通りです。
実質利回り=(100万8,000円-ランニングコスト30万円)x 12カ月/初期投資3,000万円x100=約28.3%
このケースでは4年足らずで初期費用を回収でき、早期の事業拡大も狙えます。

売上をあげるためには?

売上アップのコツは、「ランドリー機器をいかに効率的に稼働させるか」にあるといっても過言ではありません。利用者が満足できるサービスを提供してリピーターを増やしていくことが売上アップの近道です。ここからは、コインランドリーの売り上げを上げるための具体的な方法について解説します。

「立地」には細心の注意を

店舗の「立地」は、コインランドリー経営の売り上げを左右する重要なポイントです。利用しにくい場所や人通りの少ないロードサイド、周囲にニーズがない土地に店舗を出しても顧客獲得は難しいでしょう。一方、通りを行き交う人が多く、店内の様子が見える店舗なら利用者が入りやすくなります。コインランドリーは先行者に有利なビジネスといわれているため、なるべく競合店がないエリアを探しましょう。

都市型と郊外型でもニーズは変わってきます。たとえば、郊外型の店舗には、車を停めやすい広い駐車場が欠かせません。周囲に大型商業施設や遊興施設がある場合は、”ついで利用”の需要が見込めます。

季節や時間帯によっても状況は異なるため、開店場所を決める際には競合店の有無や場所の特徴、周囲のニーズを徹底的に調査しましょう。

快適空間を追求

洗濯物をきれいにする場所であるはずのコインランドリーに清潔感がないと、利用客が離れてしまいます。清掃を徹底して、店内やランドリー機器を清潔に保ちましょう。特に、ニオイは見落としやすい部分です。コインランドリーは機材や洗剤のニオイがこもりやすく、気にする人は大変気にします。その場にいなければ気づかない問題だけに、店舗に足を運んで店内やランドリー機器の内部をしっかりチェックしましょう。

客層やニーズにもよりますが、「雑誌やテレビ、無料Wi-Fiを用意する」「キッズスペースやドリンクコーナーを設置する」といった工夫で利用客が増えることがあります。店内の掲示物や機器の説明パネルに多言語表記を取り入れる方法も場所によっては有効です。利用者のニーズを見極めて、それにマッチする快適空間を提供しましょう。

トラブルには誠意をもって対処

コインランドリーは基本的に無人経営となるため、多少のトラブルは避けられません。むしろ、起こったトラブルにどう対処するかが問われます。トラブルには内容にかかわらず誠実に向き合い、きちんと解決しましょう。対応に失敗して利用者が不満を感じると、他の利用者にも口コミが広まって売上ダウンにつながりかねません。一人ひとりの利用者の満足度を上げることがリピーター獲得に役立ちます。

一方、深夜帯は盗難や器物破壊といった重大なトラブルが増えやすいため、「店内の照明を明るくする」「外から店内が見える外装にする」などの防犯対策を徹底しましょう。ニーズや地域性によっては夜間営業をやめるほうが、メリットが大きくなる場合もあります。

利益アップの近道は稼働率アップ!

コインランドリー経営は初期投資が高額になりやすい一方で、高い利回りが狙える魅力的なビジネスです。リピーターを増やしてランドリー機器の稼働率を上げ、売上アップを狙いましょう。

一方、コインランドリー経営に対する関心が急激に高まっているため、将来的に競合店が増える可能性もあります。思うように利益が上がらず初期投資が回収できないと悩んでいる人は、フランチャイズを利用して経営プランを立て直すことも検討しましょう。

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